産まれたときからお腹だけは丈夫だったので、腹を壊したこともなければ便秘をしたこともなかった。家族みんながカニを食べて食中毒になったときだって、私一人だけケロリとしていた（一番そのカニを食べたのは私だというのに）。海外旅行に行ったときだって、一緒に行った友人たちが現地の水でお腹を壊してミネラルウォーターが欠かせなかったと言うのに、私だけは現地の水道水をごくごく飲めたものだ。それくらい胃腸の丈夫さについては自信があったのだけど…。

子供を産むと体質が変わるというけれど、私はまさにそのタイプだった。出産後に便秘と痔になったときには、自分の体に起こっていることが信じられず、冗談抜きで死ぬんじゃないかと思った。かつて便秘の人がそのつらさを訴えても、私には意味がわからなかった。出したいなら出せばいいのに…。出したのに出せない、その気持ちを始めて理解できたのだった。

だから今ならわかる。もしお風呂の排水管にも感情があるとするならば、やっぱり苦しいんじゃないかと。うちのお風呂の排水管はここのところ調子が悪くて、すぐに水が逆流してしまうのだ。私も便秘がひどいときには、吐き気がすることがあるから、そんな感じなのかもしれない。詰まりがひどくなると市販で売られているパイプ洗浄剤を流し、一時的にはよくなるのだけど、それもまたすぐにひどくなる。私も便秘薬を飲めば一時的には解決するけれど、根本的な解決には程遠い気がする。やはり業者（医者）に見てもらったうえで処置（治療）をしてもらい、日々のメンテナンス（日々の生活）に気をつけることが大事なんだろう。

今日も流れの悪いお風呂の水をぼんやりと眺めながら、脈略のない思いにとらわれてしまうのだった。